第3回教職者研修会記念号


     
  米子栄光キリスト教会牧師 

        
二宮 忠弘

      
Tadahiro Ninomiya




 日本基督教団と姉妹関係にあるドイツ福音教会(教会員数2600万人)には聖霊刷新の運動がある。公式名はドイツ福音教会霊的教会刷新協議会(Geistliche Gemeinde-Erneuerung in der Evangelishen Kirche in Deutschland)である。略号はGGE(ゲーゲーエー)である。

 霊的教会刷新協議会(以下協議会)は1979年、公益法人として発足した。もっとも60年代から動きがあり、70年代に入ると、連携が広まっていった。東西ドイツ再統一の後、1991年には東西ドイツの協議会も合同して、共同指導部を構成し、今日に至っている。


 この協議会の自己認識は明確である。協議会は「聖霊の地球規模的覚醒の一部分である。」聖霊の働きは「教派と文化的背景を超えて、あらゆる年代と人生の全分野に及んでいる。」そして「地球規模的かつ最大の霊的覚醒は聖霊の働きである」として、その重要性を自覚し、それは「現代の特別な危機に対する神の答である」と判断している。そこで霊的覚醒とはどのようなものであるかについての問いが出てくる。それについて協議会は共通理解を提示している。

@罪の認識により神へ立ち帰り、イエス・キリストを人生の中心におく。
A聖霊充満により信仰は伝道の力を得る。
B新約聖書の霊的賜物の再登場。
C礼拝は神の言葉に対して新しい喜びで満たされ、霊的感動にあふれた讃美ときよめの空間を創り出す。
D魂への配慮において癒しとゆるしがあり、破壊された関係がきよめられる。」


以上の事柄をまとめれば、回心がおこり、聖霊により伝道力が与えられ、賜物が回復され、礼拝と魂への配慮が刷新される。このような聖霊刷新の動きはいかなる貢献をしているか。

@教会への貢献
 協議会は「州教会内部における霊的な運動として刷新の刺激をもたらしている。」その内容として「祝福の礼拝、病人への塗油、新しい讃美の歌、数千人が献身へと導かれている信仰基礎講座」がある。そして協議会は「魂への配慮、礼拝運動である」という評価を得ている。この運動を通して「教会の新しい拠点づくり」をしようという機運が教会指導層で起きている。運動の担い手は「ドイツの霊的覚醒は大規模教会が関わることによって初めて成功する」と自己確認をしている。

A他の教会への貢献
 協議会は「教派間の橋渡しの機能を果している。」大教派・自由教会・単立教会の間に信頼関係をつくるために貢献している。たとえば、ニュルンベルクにおける「イエス2000」会議はカトリック教会・ドイツ福音教会・ペンテコステ教会・単立教会関係者によって共同開催された。また2004年5月にシュットガルトで開催された「ヨーロッパのために結集しよう」集会にはカトリック・聖公会・福音教会・自由教会・正教会など多数の教会・団体が参加した。これには9500人が集った。

B社会への貢献
 1994年から始まった和解の行進は「社会的に著しい力を発揮し、いくつかの国において政治的環境改善に貢献した。」行進した国はヨーロッパ諸国、強制収容所記念地、またイスラエルへの和解の旅も実施された。ゆるしと和解を求めての行進であったが、それは「希望のしるし」として注目された。

C宣教と覚醒

 協議会は宣教危機の原因を方向性の散乱と消失にあると見ている。それを克服するために、イエスとの人格的関係を新たにし、聖霊による満たしを求める。信仰講座をとおしてキリスト信仰において基礎知識を提供する。

D祈りの力
 祈りの力において協議会は貢献している。祈りにおいて困難な生活環境が変わり、政治的な変化がもたらされた。「1989年におけるドイツ民主共和国の歴史的転換の前になされた平和の祈りにおいて祈りの力を見た」として、東西ドイツ再統一が祈りの力によるととらえている。

E聖霊の力
 協議会は聖霊の力を証ししている。霊的賜物は「相互奉仕の賜物」であり、それによって個人と社会において大きな助けとして受け入れられている。「聖霊の賜物は教会において長い間、軽視されてきた。神はこれでもって人々を目覚めさせておられる。」

 霊的教会刷新協議会はハンブルクに事務局をおき、オーヴァンキルヘン(ハノーファー近郊)に施設をもっている。友の会手紙・ホームページ・出版物などを通じて繋がりを広げている。
最近まで議長をつとめてきたフリードリッヒ・アショフ牧師はこれからの展望を簡潔に述べている。それは、教会に仕えることである。それには勇気づけとか、霊的助けが必要である。力が足りなかった入門セミナー・教会形成セミナー・祈りのための講座を含めて多様なセミナーを開催すべきである。
 このようにドイツ福音教会の聖霊刷新の動きは全体的に進められてきて、教会と教会員の霊的覚醒の助けとなっている。教会内での奉仕団体としてひとつの貢献をなしていることは否定すべくもない。わたしたちの協議会もそのことに励ましを受けて、来年夏の全国大会にかの地の代表をお招きすることになった。よき交わりと恵みの分かち合いができることを願ってやまない。(「」内は案内の小冊子(GGE発行)からの引用である。)




 「私は、火を投じるために来た」

                            高砂教会副牧師
    
                榊原 喜三郎


 聖書を見ると、イエス様が、この地上に来られた目的を、「私が来たのは、○○のためです」と、直接ご自分で明らかにしている箇所が、いくつかあります。

 例えば、私が来たのは…「律法や預言者を廃するためではなく、成就するために来たのである」      (マタイ5:17)。、「義人を招くためではなく、罪人を招くためである」(マタイ9:13)。「仕えられるためではなく、仕えるためである」(マタイ20:28)。「失われた羊を尋ねだして救うためである」(ルカ19:10)。「羊に命を得させ、豊かに得させるためである」(ヨハネ10:10)。

 そして、この御言葉を通してイエス様を紹介する時、新しい方でも、素直にイエス様を救い主と信じる人がおられるのを、何度も体験してきました。

 ところが、「私は、火を投じるために来たのだ。…あなたがたは、私が平和をこの地上にもたらすために来たのだと思っているのか。そうではない。むしろ分裂である。というのは、今から後は、一家の内で5人が相別れて、3人はふたりに、ふたりは三人に対立し、また父は子に、子は父に、母は娘に、娘は母に、しゅうとめは嫁に、嫁はしゅうとめに、対立するであろう」(ルカ12:49〜53)という御言葉に出会うと、余りにもこれまでに描いていたイエス様のお姿と違いすぎるために、多くの人は戸惑ったり、躓いたりしてしまいます。殊に、多くの日本人の方は、争いではなく中庸を尊び、和を重んじる傾向がありますので、尚更のことだと思います。

 私も初めのうちはどのように説明したらよいかよくわかりませんでした。けれども今回第3回教職研修会に参加し、先生方と親しいお交わりを頂き、それぞれの教会でなされている聖霊様の御業やそれに伴って起こってきた戦いを耳にする中で気付かされたことがありました。それはこれまで高砂教会や手束先生の上になされた聖霊の御業の出来事やその後七年余りに渡って教会内に起こった様々な混乱や争い、そして分裂について聞き、しかしその後の驚くべき成長と、聖霊による麗しい教会の姿について、信徒のお一人お一人が聖霊に満たされ、喜んで奉仕している姿を目の当たりにして来て思わされていたことでした。

 それは、イエス様が「私は、地上に火を投じるために来た。それは平和ではなく分裂をもたらすためである」と言われたのは、分裂をもたらすことが目的なのではなく、火が投じられたため、今まで親しく楽しい交わりを持っていた人達の間に様々な混乱や争いが生じ、分裂が起こる。しかしそれはどんな問題が起こってきても、決して揺るぐことのない土台の上に、聖霊によって、麗しい教会を建てるためだったのだ、ということです。

 私は「何故、聖霊体験をすると教会が分裂するのか」よくわかりませんでした。だから問題が起こった時、私は「教会はどんなことがあっても分裂させてはいけない」と思いこんでいましたので、何とかして一致しよう。お互いに「イエス様の十字架のもとに立てば、必ず和解はできるはずだ」と信じて、一生懸命に努力しました。

 そのため、最終的には私の方が引いてしまうという経験を致しましたが、今はわかります。この分裂は、神様が起しているのだ…ということが。イエス様は「私は地上に火(聖霊)を投じるために来た」と言われたのは、「そうすれば分裂が起こるかもしれない。けれども、あなたがたはそれを恐れてはならない」と言われたのだということが。

 今イエス様は日本の教会に「私は、地上に火と投じるために来た」と言われます。そして火が投じられる時、確かに様々な混乱や争い、分裂が起こるでしょう。だから聖霊の火が降って分裂が起こったとしても、恐れないで歩んでいきたいと思います。目先の混乱や争い、分裂に目を奪われないで、神様が、この分裂を通して形造って下さる、聖霊による麗しい教会の姿をしっかりと心に描いて、共に励んでいきたいと、この研修会を通して強く思わされました。

これからますます敵の攻撃が激しくなるでしょう。そのために今、第一線で働いている方々が敵の攻撃から守られるように祈ることを忘れないでいたいと思います。しかし何よりも、聖霊に満たされた一人一人が、心から神様を愛し、牧師を尊敬し、信頼し、喜びに輝いて、互いに仕えている姿こそが、敵に対する最大の攻撃となり、今戦っている方々への最高の防備となるのだと思わされています。





講義中の山内一郎師
(前関西学院院長・神学部教授)




 「励ましの時」

                    郡山ジョイフルチャーチ牧師
  
                  斎藤 雅彦


 今回家内と二人で教職者大会に参加することができました。いつもリニューアル集会でお世話になっている津村先生ご夫妻からよく聖霊刷新協議会のことは聞いていましたが、今回夫婦で参加できたことは大きな恵みでした。

 私達が住んでいる福島県から飛行機で大阪まで飛び、そして電車を乗り継いで会場の関西学院千刈りセミナーハウスまで向かいました。そして2日間全部、この大会に参加できたことは大きな励ましでした。

 この教職者大会に参加して沢山の恵みをいただきましたが、その第一は多くの牧師先生方が聖霊様の働きを積極的に認めておられると知ることができたことでした。5年前に津村先生ご夫妻と出会って聖霊刷新の集会に参加するようになり、自分自身随分癒され、解放されました。しかし周りの教会を見渡すと、そうした聖霊様の顕著な働きを認める教会は少数派であり、何か肩身の狭い思いをしてきました。しかし今回この教職者大会に出て、これだけ多くの牧師先生方が聖霊様の働きを認め歓迎していることを見て、日本の教会も確かに希望がある、と励まされました。

 第二に、苦労しているのは自分達だけではない、と感じられたことも感謝でした。長いこと開拓伝道をしてきて、沢山の葛藤、試練を通ってきました。しかしこの度の大会で、いろんな牧師先生の牧会伝道のことを伺い、「多くの先生方も戦っておられるのだ」と思いました。むしろ自分達よりも遙かに厳しい状況の中で伝道しておられる先生方の話を伺い、同じ伝道の最前線にいる先生方の存在を通して励まされました。

 「この悪魔にむかい、信仰にかたく立って、抵抗しなさい。あなたがたのよく知っているとおり、全世界にいるあなたがたの兄弟たちも、同じような苦しみの数々に会っているのである。」Tペテロ五・九

 第三に、主催者の方々が本当によくして下さったことです。私達は他の先生方と違い、セミナーハウスに泊るのではなく、大阪市内のホテルから2日間会場まで通いました。そのために会場と駅の間を送迎して頂くという余分な手間をおかけしましたが、当然のように快くして下さいました。それ以外にも、スタッフの方々から細やかな心遣いを頂き、本当に快適に過ごすことができました。

 この聖霊刷新の働きがますます祝福され、日本のリバイバルの原動力になることを信じ、祈っております。




交流会の様子




 「教会史に浮かび上がる聖霊様の働き」

                         高砂教会教育主事
  
                   森 仁美


 第3回目を迎える教職研修会に参加することができて本当に感謝でした。今回は前関西学院院長であられる山内一郎師と、日本基督教団と宣教協約を結んでいるドイツ福音教会で12年間宣教師としてご奉仕された経験のある二宮忠弘師を講師にお迎えし、「教会史におけるカリスマ運動の意義」と題して持たれました。これは、どうしても現在の日本の自分の教会で起こっている聖霊様の働きという狭い視点に留まりそうになってしまう私にとって、大変意義深い学びでした。聖霊様が歴史に介入され、教会の歩みの中に介入される。教会史を振り返っていく時、その軌跡が確かに浮かび上がってくるということを感じさせられました。

 山内師は「ジョン・ウェスレーの聖霊による聖化の神学」というテーマでお語り下さり、ウェスレーにある霊的な信仰復興運動の面からの評価と社会変革の面からの評価を指摘され、ウェスレーには矛盾することなくこの霊的な面と社会的な面とがあったと講義して下さいました。日本基督教団に於いてはその社会的な面ばかりに重きが置かれがちですが、それは霊的な信仰復興運動というものなくしてはありえないことであったということを知り、聖霊なる神様ご自身が、英国国教会を刷新するメソジストという働きを起こしていかれたのだということに深い感動を覚えました。

 また二宮師の講義では、特にドイツにおける現在の聖霊刷新運動に興味を持ちました。ドイツ福音教会という伝統的な教会が今衰退の一途をたどり、教会が売りに出されるということまで起こっている現実の中、聖霊様がそこに介入され、ドイツ福音教会聖霊刷新協議会が発足したこと。その協議会はドイツ福音教会にも正式に認められ、何千人もの賛同者がいること。そしてドイツ福音教会において少しずつ霊的刷新が進められていること。これらの事実は私にとって驚きであり感動でした。高齢化が進み、会員数が減少している日本基督教団の諸教会の姿と、このドイツ福音教会の姿がオーバーラップして見えました。日本基督教団に於いては、聖霊刷新の働きはまだまだ少数派であり、また多くの偏見を持たれています。けれども、この聖霊様の働きは世界的な動きであり、形骸化している現在の教会を建て直すために、復興していくために、主なる神様ご自身が導いておられることであるという事実を見せられた思いでした。この講義を通して、やがてこの聖霊刷新協議会の働きが教団全体に広がり、力を失っている教会が主の命を吹き返し、ドイツ福音教会に起こっている聖霊様による教会復興の御業が、私達の愛する日本基督教団においても起こされていくのだと、確かな希望を頂くことができました。

 またこの2年に1度の教職研修会は、私にとって必要な学びを頂く場であると共に、諸先生方とお出会いし、お交わりさせて頂けるとても大切な時間となっています。今回も馴染みの先生方との再会や新しい出会いが与えられ、感謝でした。この日本の地にあって、聖霊なる神様に導かれて仕えておられる先生方とのお交わりは、慰めであり励ましであり、チャレンジでもあります。今年も「私も与えられた場でがんばるぞ!」という思いにさせられて帰ってきました。また次回には、更に多くの先生方がこの輪に加えられていることを信じつつ、今から楽しみにして待ちたいと思います。





第3回教職研修会に参加した方々